【レポート】2/1 ふみえ食堂×鳥羽 One table

開催日
2020 02 01土曜日

2020年2月1日に開催された「ふみえ食堂×鳥羽 One table」
くらうまオープンから不定期で開催されているイベント「ふみえ食堂」は、料理家の金子文恵さんが、その日のテーマ地域の食材を使ったオリジナル料理を振る舞います。

地方の生産者と東京の消費者を繋げようという目的で、参加者にその地域を身近に感じてもらうために、「体験」や「体感」を重要視しています。
参加する約20名が、一つの大きなテーブルを囲んで交流をしながら、食事をします。

今回は、三重県鳥羽市の食材がテーマ。
昨年6月にも開催されて好評だった回の第二弾。

くらうま代表の甲斐さんが、くらうまができる前に鳥羽の方と知り合い、新しいスペースを使って、深いファンを作るイベントを開催したいとの想いがきっかけでスタートしたこの企画。

料理家 金子文恵さん

文恵さんは、前回の開催前に鳥羽を訪れ、実際に食材を見、生産者に会い、食材を深く知ってからメニューを考えたといいます。
今回は初めての食材「答志島のトロさわら」や「ナマコ」、「祝蕾」なども提供されるそう。 どのように料理されるのかも、注目です。

参加者は、「文恵さんの料理のファンでふみえ食堂開催の際にはほぼ参加しています」という方や「前回の鳥羽の会の時に参加してとてもおいしかったので、楽しみに来ました」という方もいましたたが、中には「以前鳥羽に家族旅行で行った時に買った『牡蠣のオイル煮』が気に入って、生産者の出間リカさんとSNSで繋がり、今日会えるというので参加しました。」という男性も。始まる前からワクワクした空気が漂っています。

鳥羽からは、市役所の方々と、漁師で民宿も運営し、六次化事業も行なっている中田さん、現役海女アイドルユニット「とばぁば」が昼に東京入りし、参加しました。


オープン!ふみえ食堂×鳥羽 One table

ヤマトタチバナ

まず初めに配られたのは「ヤマトタチバナ」と言う3cmほどの柑橘。
「日本原産の柑橘はシークァーサーとヤマトタチバナだけ、と言われています」と、文恵さん。

鳥羽のヤマトタチバナをシロップにして、アルコールやソーダで割ったドリンクで乾杯。 甘い香りで飲みやすくて美味しい、という声が聞こえてきます。

料理は基本的に大皿盛りで取り分けるスタイル。

今回のふみえ食堂では、印判手と呼ばれる、明治時代から日用雑器として使われていたアンティークの器が使われています。これは、くらうま代表 甲斐さんの知人である辻さんのコレクションで、家には数えただけでも2000枚以上のコレクションがあるそう。 「印判手はアンティークながら、価格帯が手頃なのも魅力」と、辻さん。小皿は1枚800円もしないものも多く、イベントに合わせて販売も行っています。

様々な絵柄の印判手

そんな印判手の取り皿にあらかじめ盛られているのがふみえ食堂のメニューの数々。

「しらすと黒海苔の佃煮 2種のブルスケッタ、毛海苔のミニピザ」。
ブルスケッタは、鳥羽産しらすのジェノベーゼ、黒海苔の佃煮とクリームチーズをそれぞれ薄切りのバゲットに乗せたもの。

ミニピザには、細く長く、髪の毛のように見えることから名付けられた「毛海苔」という海藻とモッツァレラチーズ、「アカモク塩」という海藻塩を使用している。「アカモク」は東北地方では「ギバサ」と呼ばれる海藻で、鳥羽でもよく食べられている、とのこと。

大皿に盛られている料理が3種類並べられています。

「ナマコの海苔酢和え」
ナマコは鳥羽の漁師中田さんととばぁばが捌き、生で提供。
薄切りにして、鳥羽の安楽島(あらしま)産の生黒海苔をさっと湯がいて、二杯酢を加えて和えています。 ナマコと海苔の強い磯の香りが、酢と醤油を混ぜた二杯酢でさっぱりと仕上がり、独特な食感がさらに食欲をそそります。

「牡蠣のオイル漬け」
安楽島産の牡蠣をオイル漬けにし、鳥羽のブランドミニトマト「海女とまちゃん」と、カリカリにした蕎麦の実をトッピング。 皮が薄く、糖度の高さが特徴の「海女とまちゃん」で、味の濃い牡蠣に、旨味と酸味、甘味を足し、カリカリの蕎麦の実で食感と香りを加えた、バランスが素晴らしい一品です。

「小蕪と金柑の浅漬け」
鳥羽マルシェの小蕪を「アカモク塩」で浅漬けに。「色合いが綺麗で好き」という文恵さんお気に入りメニュー。


海女の笑顔に会えるまち鳥羽

ここで、鳥羽市農水商工課の村山さんから、スライドを使って鳥羽の紹介が始まりました。

三重県鳥羽市は、海女が日本で一番多い地域。男性のあまさんもいるそうです。(男性の場合は海士と書く )

とばぁばの鈴木さん・出間さん

そして、海女アイドルユニット「とばぁば」の「えびりん」こと出間(いずま)リカさんと、「あわびこ」こと鈴木みゆきさんの登場。
二人は普段、鳥羽の海に潜って牡蠣などを採っている60代の現役の海女です。

鳥羽のPR活動のためのアイドルオーディションに自薦で申し込み、テストに合格。渡されたCDとDVDで曲と振り付けを必死で覚え、レコーディング。
2015年に「We are the とばぁば!」でメジャーデビュー。プロモーションビデオではジャパンアクションクラブの俳優と共演し、お台場のイベントで歌ったエピソードも。

海女の仕事内容や、陰陽師から来ていると言われているお守りのマークの話など、あまり知られていない海女の世界について、スケッチブックや写真を使って説明があり、実際に獲ったアワビやサザエの殻、海で削られたガラスの破片「シーグラス」に触れて、参加者も興味津々の様子です。


海の幸をふんだんに楽しめる美味しい鳥羽


さらに、作りたての料理が運ばれて来ます。

「生わかめのしゃぶしゃぶ」
安楽島産の生わかめを「ヤマトタチバナ」のポン酢で和えたもの。
生わかめは、会が始まってからさっと湯がいたばかり。

そして、昨年10月からブランド化された答志島の「トロさわら」のカルパッチョ。
「トロさわら」には、一本釣りであることや、さわらの大きさ、脂肪分が10%以上など、厳しい基準があり、クリアできるのは鳥羽のさわらのわずか8%とのこと。

この貴重な「トロさわら」が今回のために2本提供されました。届いたばかりのさわらは、漁師の中田さんが素早く捌き、柵の状態に。表面をさっと炙ったさわらを並べ、ベビーリーフを乗せて、文恵さんオリジナルのわさびドレッシングをまわしかけたら完成です。

脂の乗ったさわらは、柔らかく、きめ細やか。今まで食べたことのあるさわらとは全く印象が異なります。
参加者からも、「美味しい!」という声があちこちから聞こえてきます。

「牡蠣のグラタン」
安楽島産の生黒海苔を加えたモルネーソース(チーズ入りホワイトソース)をかけたグラタン。牡蠣のオイルマリネを作った時に出た牡蠣エキスもソースに加えてあるので、より海の香りとうまみが増しています。

「トロさわらと祝蕾のフリット」

祝蕾(しゅくらい)は「つぼみ菜」という名前でも流通している野菜で、ブロッコリーの芯のような食感と、ほんのり苦味がある春の味。今回届いたものは、「とばぁば」の出間さんのご主人が畑でつくっているものだそうです。
どちらも、薄い衣でカリッと揚げて、アカモク塩が振ってあります。

トロさわらは、揚げるとふんわり。パサつきは一切なく、今まで食べたことのない感動的な美味しさでした。

「マダコとブロッコリーのサラダ」
安楽島産のマダコと鳥羽マルシェのブロッコリー、オレンジカリフラワーとロマネスコも使い、玉ねぎ入りのニンニクマヨネーズで酒が進む味。
野菜は蒸し煮で加熱してあるので、柔らかくなりすぎず、適度な歯ごたえが残ります。

「黒海苔のゼッポリーネ」
通常は青海苔を使うイタリアの揚げパン「ゼッポリーネ」を、鳥羽産の黒海苔(乾海苔)を使って作ったもの。
揚げたてなのでふわふわサクサク。海苔の香りがたまりません。


さらに奥深く知る鳥羽!

鳥羽市観光課 村田さん

鳥羽市観光課の村田さんから、 「奇界遺産」シリーズで注目の写真家、佐藤健寿さんが撮影した鳥羽の風景を見ながら、風習や鳥羽の特色についての話が始まりました。
参加者は、食べながら、飲みながら、隣の人と話しながら、画面にも注目しています。

続いて、前回も盛り上がった「鳥羽クイズ」。 村田さんが考案した3択問題に正解し続け、最後の1名になると、鳥羽の高級焼き海苔や、出間さんが作って販売している「牡蠣のオイル漬け」、鳥羽マルシェの無添加手作りジャムなどの、賞品がもらえます。

【鳥羽市は日本一海女さんが多い街です。海女さんたちは、海の資源をとりつくさないように努めており、『三重県内では殻が「?」cm以下のアワビはとってはいけない』というルールがあります。その大きさはいくつでしょうか?】
などという、なかなか難易度の高いクイズに、参加者も「あーあ」「やったー!」と声をあげて大はしゃぎ。

全員が正解できるような大ヒント付きクイズもあり、会場はさらなる盛り上がりを見せました。


さらに、「とばぁば」本人と一緒に、プロモーションビデオをスクリーンで鑑賞。コミカルなアクションに、笑いが起こります。


食、人を通して知る新たな地域の魅力


一方、料理は、締めのごはんが出来あがりました。

「さざえとあらめのピラフ」
オリーブオイルで炒めた玉ねぎとにんにくと米に、安楽島産のさざえと「あらめ」という海藻をたっぷり加えて炊き、好みでバター醤油味のさざえの肝ソースを乗せます。銘々が茶碗に好きなだけよそいます。美味しくておかわりする人も。

さざえは「とばぁば」の二人が仕込みを手伝ったものです。いとも簡単に殻から身を外していたのが印象的でした。

最後は、ギリシャヨーグルトにホイップした生クリームを加え、鳥羽マルシェの手作りイチゴジャムを乗せたデザートが全員に配られ、全15品の調理が終了。

そして、鳥羽市役所の押川さんから、ふるさと納税の紹介がありました。
海産物や、観光券、真珠製品など、鳥羽が誇る返礼品をぜひ利用してほしいとの話にも、参加者は聴き入っていました。

参加者からは、
「今まで鳥羽に行ったことはあるけど、こんなにいろんな食材があるなんて、知らなかった。」
「”とばぁば”に会いに、鳥羽に行きたい 」
「くらうまで鳥羽ツアーを企画してほしい 」
「お料理も美味しく、幸せでした。ふるさと納税します。」
など、一夜にして一気に鳥羽ファンになった、と受け取れる感想が次々と述べられました。

くらうまキッチンプロデューサー 料理研究家ヤミーさん
鳥羽市役所農水商工課 村上さん

鳥羽市役所農水商工課、村山さんの締めの挨拶では、「鳥羽は真珠や海産物が売りですが、一番の売りは『人』です。ぜひ鳥羽に遊びに来てください。」との話があり、参加者からは「行きたい!」「行くならいつごろがオススメですか?」と前向きな質問も。

さらに帰りには、海藻を使ったマドレーヌや、鳥羽のキャラクターグッズが入ったお土産も配られ、販売コーナーの焼き海苔やジャムを買って帰る方も多く、最後まで笑顔があふれる会となりました。


くらうま しもきたでは、今後も鳥羽市との楽しい企画を計画していきます。
ぜひ、気になった方は次回いらしてくださいね。お待ちしています!

料理家 金子文恵

目にも舌にもおいしい料理をモットーに、食をデザインする料理家。
文化服装学院を卒業後、ファッションデザイナーとして活躍しながら友人にふるまった料理が評判になり、料理家へ転身。
デザインセンスを生かしつつ地に足のついたおいしい料理のレシピを主宰する料理教室や、雑誌・Web、企業のレシピ開発などで紹介するなど幅広く活躍。
その経験から生まれた料理が『ニュー スタイル レシピ』(主婦と生活社)として出版され、見た目のイメージを覆す手軽な料理が人気を博している。
また遠距離介護の経験から生まれた冷凍おかずセットをテーマにした『なにしろ、親のごはんが気になるもので。』(家の光教会)は発売月に重版され、介護をしている人はもちろん、日々の生活に役立つと注目を集めている。

ライター・写真担当 さくらいしょうこ

飲食店でのメニューPOP作成をきっかけに料理写真を学び始め、フードコーディネータースクールに入学。資格取得後、本・雑誌・リーフレット等へのレシピ掲載、レシピ コンテスト入賞などを経て、
現在は料理写真撮影を中心に、取材撮影、フードコーディネート、レシピ開発、スタイリング、DTP、動画制作などマルチに活動中。
https://sakuraishoko.me/